~認証機関からみた有効活用事例集~
2016年度JACBマーケット調査委員会 活動報告
「ISO マネジメントシステムの価値向上を目指して」 発行にあたって
ISO マネジメントシステムが企業の本来の目的を達成するために貢献しているか?
ISO 認証機関の経営者の一人として常日頃から、その実現を目指し、その反面本当に貢献できているのかと自問自答してきた。
さまざまなISO マネジメントシステムに関するアンケート、ヒアリング調査があるなかで、最も認証組織に近い、いわゆる一番現場に近い認証機関から纏まったレポートがなかったのは不思議なことであった。
そこで、日本マネジメントシステム認証機関協議会(以下JACB)の幹事会メンバーからの要請もあって、日頃仲間であり、ライバルでもある各認証機関の営業、マーケティングの責任者が一同に集まり、認証組織へのヒアリング調査を行うことが決定した。ヒアリング対象組織は各機関が認証している組織で、ISO マネジメントシステムを有効活用し効果を上げている組織である。どのような取り組みが有効性に繋がり、効果を生むまでにどのようなプロセスを歩んだか、そこに認証機関や、審査員が、どのような関わり合いを持ったか等を中心に調査した。
導入時の生みの苦しみを乗り越え、どのように組織が変化したか、運用する上で組織の本来の目的を達成して行くプロセス、その発展に認証機関としての考え方、それを実現する審査員のコメントや指摘が如何に寄与していたかを、この事例集では確認することが出来る。
ISO が定着した、ISO をやり尽した、ISO は手間だけ、ISO は何の役にも立たない、ただ認証だけあれば良い等、まだまだISO マネジメントシステムを経営改善のツールとして活用されていない組織は少なくない。この事例集はそのような組織に対して、少しでも知恵、改善の機会、気付きを与えられればと思っている。
2017年4月